■iCarPlay for iPod

 よくわからないまま、ただのかっこいいハードディスクだと思って買った iPod がある。ずいぶん昔の話だ。

 買ってまもなく、当然のことながら、むしろウォークマンだったのだということがわかった。

 もともと音楽的人間でもないし、イヤフォンをしてまで音楽を聞くということもあまりない。夜ふとんに入ってから聞かないでもなかったが、どちらかというとラジオやテレビの音声が優先する。

 音楽を一番よく聞くのは車の中だ。そんなわけで、iPodの音楽が車のオーディオで聞けたら便利だろうなとは思っていた。だが、いかにもめんどくさそうだし、2001年に購入した時点で既に時代遅れのオーディオが搭載されていたわが愛車では無理かなとも思っていた。

 しかし、ひょんなことからアップルのサイトを見ていると、iPodの音をカセットデッキから出すというデバイスがあるのを知った。2500円ほどで送料無料。ユーザの評価を見ると、デッキとの相性はあるらしいが、まともに動きさえすればかなり便利で音もいいようである。

 カセットテープの形をした本体をデッキに入れ、iPodのステレオミニジャックにつなぐだけ。
 これで、iPod内のあらゆる音源がカーステレオから流れてくる。

 人柱になるつもりで購入して試してみると、これがすこぶる具合がいい。いずれも貧弱な、愛車のオーディオと私の耳では、CDの音とほとんど区別がつかない。もはや、CDチェンジャーもカセットデッキもいらないぐらいである(あ、後者がないと使えないけど)。

 テープの代わりに回っている歯車の発する機械音も、普通のボリュームで音楽を聞くと気にならない。長年の懸案?がこんなにあっさりと安価に解決するとは思わなかった。

 iCarPlay という。類似品もいろいろあるようだが、音はこれが一番いいらしい。