★リアプロ礼讃

 SONYの液晶プロジェクションテレビ、BRAVIA のEシリーズが来た。いわゆるリアプロである。
 会議などのプレゼンテーションでよく使われる液晶プロジェクタと同じような原理だが、そのエンジンを画面のすぐ後ろに装備し、上方に投射した映像を鏡で反射させて、見ている者の方向へ画像を映し出す仕組みになっている。

 見た目は薄型のブラウン管テレビと変わらない。画面のすぐ後ろが急角度(45°程度)に落ち込んでいる(その面に鏡が仕込んである)のがちょっと変わっているぐらいだ。

 以前書いたとおり、その存在を知ったのはリビングステーション(EPSON)の派手な新聞広告によってだった。なんだか、他のメーカは力が入ってないのかと思っていたが、ビクターとソニーは有名なようだ。三菱とサンヨーも発売している。

 1番のメリットは、インチ当たりの単価がもっとも安いことだろう。ソニーブラビアの場合、50V型が専用テレビ台や設置料などすべて含めて30万円しなかった。

 だが、安かろう悪かろうではない。カタログによると(笑)、3LCDのリアプロプラズマディスプレイよりも色再現性がよい。また、液晶テレビよりも応答速度が速い。

 実際、エプソンが自信を持って全国のショールームで見せているとおり、プラズマにも液晶にも劣るとは思えない高画質である。購入する前に電器店で見たときも、同じBSハイビジョンの映像を映している隣のプラズマよりも綺麗に見え、最終的に背中を押される決め手となった。

 大きな誤算は、うちの現在の環境では地上デジタル放送が受信できていないことであった。しかし、落胆するのも束の間、ごくふつうのアナログ放送を大画面で見ても、十分鑑賞に堪えられるのだ。画面の文字までクッキリスッキリで気持ちいい。

 圧巻だったのは、借りてきた「宇宙戦争」(トム・クルーズ)のDVDを見たとき。ほとんど映画館にいるような迫力だ。距離が近いために、画面の細かいところまで鮮明に見える。その点では映画館より上だ(あ、もちろん、私の視力では、です)。

 これでハイビジョン放送を見たらどれほど綺麗ですごいかと思う。展示場や店頭で見た、あの驚きの高画質になるのだろう、フルハイビジョン仕様でなくとも。

 プラズマも液晶も、技術革新によってパネルの大型化が進み、量産効果もあって価格も下がってきた。しかし、清潔と精密を極めたものすごく大がかりな生産設備が必要で、それでも品質を揃えるのは大変らしい。となれば、コスト削減(つまりは廉価販売)も思うようには行かない。

 みんながプロジェクションテレビの良さに気づいて量産効果が出れば、もともとインチ当たり単価が安く大型化もしやすいこのタイプの価格は劇的に下がるのではないか。そうなれば、プラズマや液晶を押さえて大画面テレビの主流になるのではないだろうか。

 スペック至上主義(私自身ちょっと・・・)がはびこるこの日本ではむずかしいだろうか。