★大画面テレビ

 いつのころからか枯れてきてしまって、不思議なほど欲がない。いや、聖人とはほど遠いので、持っているものが減るのはすごくイヤなのだが、新たに欲しいとは思わないのだ。モノに限らず、地位や名誉も同じである。

 浮き世の義理と経済的理由でそうはいかないが、できるなら古い日本家屋の縁側に座って景色でも見ながら日がな一日のんびりとしていたい。ほとんど隠居である。

 なんだかもう、生きていても死んでいてもそう変わりはないような気がしてくる。ほんとうに年金生活をしていて毎日が日曜日のご隠居さんたちはいったいどんな気分なんだろう?

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 大画面テレビがすごいことになっている。興味もないし欲しくもないので横目ですら眺めていなかったのだが、大画面で映画を見るのはもちろん悪くない。今のテレビはまだ絶好調だが、もう十数年前に買った29型のブラウン管テレビだ。当時としては必死の思いで買った。

 今年の初夏だったか、エプソンが新聞に派手な広告を出していて液晶リアプロジェクションテレビの存在を知った。大画面で割安、画像も綺麗だそうだ。
 夏の終わりに韓国に行ったとき、最後の方で泊まった民宿?のリビングに巨大テレビが置いてあって、その迫力にちょっとびっくりした。
 先日、実際にエプソンの画面をさまざまなソースで見せてもらうことができ、その素晴らしさに圧倒された。
 以上のような経過を通して、久々に「物欲」が出てきた。生きていることを実感する(笑)

 さて、いざ買うとなると、選択肢が実に多い。いつも思うのだが、「3つからしか選べません」とか、せいぜい5つまでだったらどんなにいいかと思う。「われわれは自由の刑に処せられているのだ」(J. P. サルトル

 プラズマ、液晶、液晶(リア)プロジェクション、SEDパネル?
 地上デジタル?、BS、110度?CS、ハイビジョン、フルハイビジョン?、HDMI端子?

 ハァ?

 メーカももちろん、数多い。
 どうかすると、160万とかいうテレビまである。車かよ。

 結局、専用テレビ台も含めて30万以下の液晶プロジェクションテレビに落ち着いた。それでも、久々の大きな買い物だ。来るのが今から待ち遠しい。