●モズのはやにえ

 モズが散水栓に止まっている。長い間じっとしているのに、ときおり思い出したように飛び立ち、隣の散水栓に移る。

 もちろん、「思い出したように」というのはこちらの勝手な忖度である。飛び移ったときには、必ず虫をくわえていた。
 双眼鏡で見ていると、おいしそうに?食べるのだが、一度だけ例外があった。

 バッタをくわえたまま、近くの藪に入り、何やらゴソゴソやっていたと思ったら、出てきたときにはもうバッタはいなくなっていたのだ。

 これぞかの有名な「モズのはやにえ」であろうか。だとすればすごいものを見てしまった。