●ケイタイを替えた

 今使っている携帯電話のバッテリが死にそうになってきたので、電話自体を新しいものに替えた。といっても、多くの人たちとは違ってほとんどケイタイに興味がないので、とんでもない機種である。いまどき、インターネットもメールもできず、カメラもついていないのだ。液晶はTFTではなくSTN。売っているのが奇跡のような存在かもしれない。

 でも、シンプルでスッキリしたラインのデザインが気に入っている。待ち受けだけなら3週間!充電しなくていいと書いてあるのも、ものぐさな私にはいい。
 ただ、何となく、昔、仲間由紀恵が持っていたauのヒット機種の真似をしたようにも見える。控えめに言って、向こうのコンセプトをヒントにしたと思われる(笑)のが残念だ。

 これとは別に、TU-Ka からは高齢者用ケイタイが発売されていて、ヒットしているそうだ。これまでケイタイを持っていなかった層に浸透しているらしい。
 パンフに載せられた操作方法の写真では、左手で持ったケイタイのボタンを右手の人差し指で押している。「直接係の者につなが」る「安心ダイヤル」も用意されている(機械が応答して「用件に応じて番号を押せ」というアレではないのだ)
 これからの時代、高齢者をターゲットにするのは正しい選択なのかもしれない。ツーカーステーションでも、このケイタイだけはタダでは手に入らないのである(訂正:私の行った店ではキャンペーン中で無料でした。また、もっと高いのもありました。)

 しかし、まったく何の機能もなく、最悪のデザインである(「グッドデザイン賞」を受賞しているのが笑える。いくら「ユニバーサルデザイン賞」であるにしても)
 これが売れるのなら、他社がもっといいデザインで追随しそうで気がかりだ。ケイタイ会社としてほとんど無視されてきたTU-Ka。私にとっては間違いなく一番料金が安いので、これからもがんばってもらわねば困るのだ。

 それにしても、手数料2100円だけで、10分ほどの間に新機種に入れ替わったのには唖然とした。幼いころ、黒電話を引くのに2年間待った記憶を持つ身としては驚きを禁じ得ない。昨日やっと半額になったNTT(当時は電電公社の「施設負担金」(つい一昨日まで7万2千円だった)も、当時は一財産だったはずだ・・・

 学生のころ、彼女に電話するために、夜、家を抜け出したりしたのが懐かしい。だが、せっかくの電話を彼女は居間で受けざるをえず、横には父親やら母親やら弟やらがいて、まともに話すことはできなかった。
 簡単に電話が手に入るようになってからは、かける相手がいない。皮肉なものである。