★氷の接吻

 テレビでやっていたのを録画して見た。ヒロインが哀しき殺人を続ける動機も、諜報員?のヒロインへのオブセッションの動機もなかなかわからない。いや、最初は「哀しき」殺人なのか、「オブセッション」なのかどうかさえもわからない。しかし、おしまいに近づくにつれ、それが腑に落ち始めるとともに、予定調和的カタストロフへと展開する必然性が見えてくる。
 ・・・とはいうものの、やっぱり「芸術作品」(大衆娯楽しか理解できない私が、わかりにくい文学的作品を敬遠してつける呼称)で、よくわかならい気分が残った。それで、ネットで検索してみると、酷評の嵐である。でも「わからない」はいいが、自分の鑑賞眼のなさを棚に上げて、「つまらない」や「退屈」などというのは失礼では、と感じた。まあ、批評などというものは元来そういうものかもしれないが。

 これはもしかすると傑作ではないのか。いちおう、おすすめしておこう。違う意見の人も多いようだが、少なくとも退屈はしない。
(ネット検索の過程で、初めて原題を知った。意訳すれば「守護者の目」とでもなろうか。最初から原題を知ってれば、「わからなさ」は半減したのに・・・ 意識してよく見ておくんだった。題名って大事ですね)

(Eye of the Beholder, 1999 U.S.A.)